むし歯菌の強さの検査(カリオスタット検査)

むし歯予防が叫ばれる今日、“むし歯のない子”はお母さん方の願いだと思います。むし歯が新しくできる可能性があるかどう か、小さいむし歯が大きくなる可能性があるかどうか早期に予測することができれば、それだけお子さまに対するむし歯予防が効果的に行うことができます。カ リオスタット(むし歯予測試験法)はそのようなむし歯について予測テストを行うもので、色の変化によって容易に判定できます。

上の図は1歳6か月時でのカリオスタット検査の結果と3歳時でのお口の中の状態との関係を示しています。1歳6か月時にカリオスタットの結果が悪かったお子さまたちは、3歳時では約8割のお子さまがむし歯をもっていたことを示しています。

むし歯は上の図に示すように、①歯(質)と、②むし歯原因菌と、③飲食物に含まれる砂糖分が一緒になったとき、菌がネバネバしたもの(歯垢)を作り、歯の表面に住みつきます。そして酸を作り、それによってむし歯になります(むし歯のできかた)。
カリオスタットは、この歯垢や酸のでき具合をみるもので、酸などが多いほど液の色が、青→緑→黄緑→黄となり、むし 歯に対する危険信号を示します。また、歯垢ができやすい人の場合は液が濁ってきます。ですから、個人個人の色の変わり方に応じて、むし歯の予防対策を立て ていただければ良いかと思われます。
大切なことは、カリオスタット検査は細菌的側面のみをみているだけで、むし歯は生活習慣病で複数の原因が絡み合ってできるものです。他の要因を悪化させないようにすれば上の図での重なりが小さくなり、むし歯にはなりません。この年齢ではどこの部位がむし歯になりやすいのかを考慮して、年齢的な要因を見つめ直し、むし歯の出来ない環境作りを行うことが、むし歯予防に大変重要であると考えられます。