歯科材料

グラスアイオノマーセメント

現在、予防歯科で着目されている材料です。材料の中にフッ素を含有しており、充填後にフッ素を徐放するとともに、フッ素塗布の際には貯蔵すると報告があります。また、フッ素を含むことにより、フッ素の性質である抗菌性が認められます。
下図には、歯科材料の抗菌性とむし歯菌の発育との関係を検討した結果を掲載しております。培地にむし歯菌を撒き、歯科材料をその上に置き、一定時間むし歯菌を培養した後の結果です。グラスアイオノマーセメントに関しては、材料の周りにはむし歯菌の発育が抑制されたことを示す発育阻止円が認められることより、グラスアイオノマーセメントにてむし歯菌の発育の抑制効果は認めらたことが示されました。

フッ素

フッ素を歯に作用させると、歯の表面から取り込まれ、歯の結晶（アパタイト）の一部になります。フッ素を含んだ歯の結晶は、普通の歯の結晶よりも丈夫になり、むし歯菌の出す酸に対してより強くなります。つまり、フッ素を適切に使うと、歯の表面が強くなり、むし歯になるのを防ぎます。また、歯のエナメル質のまわりにフッ素があると一度脱灰した部分の再石灰化を促進し、エナメル質の補修がしやすくなります（右図）。

下図には、歯科材料の抗菌性とむし歯菌の発育との関係を検討した結果を掲載しております。培地にむし歯菌を撒き、歯科材料をその上に置き、一定時間むし歯菌を培養した後の結果です。フッ素に関しては、材料の周りにはむし歯菌の発育が抑制されたことを示す発育阻止円が認められることより、フッ素にてむし歯菌の発育の抑制効果は認めらたことが示されました。

サホライド：むし歯進行抑制剤

むし歯進行抑制剤をむし歯に塗布すると、硝酸銀による蛋白凝固、フッ化ナトリウムによる不溶性塩の生成することにより、歯牙の有機性進入路を閉鎖し、むし歯進行抑制と象牙質知覚過敏症の治療に大変有効であるととに、低年齢児に対しては薬物をむし歯に塗布するだけで済みますので不快感を与えることが少なくすみます。

下図には、歯科材料の抗菌性とむし歯菌の発育との関係を検討した結果を掲載しております。培地にむし歯菌を撒き、歯科材料をその上に置き、一定時間むし歯菌を培養した後の結果です。サホライドに関しては、材料の周りにはむし歯菌の発育が抑制されたことを示す発育阻止円が認められることより、サホライドにてむし歯菌の発育の抑制効果は認めらたことが示されました。

一時的に噛み合わせの溝を埋めるセメント

６歳臼歯が萌出し始めたら、噛み合わせの部分がむし歯になりやすくなります。そこで、シーラントを行いむし歯予防を行ってきますが、噛み合わせが完全に萌出するまでは、柔らかいセメントにて一時的に噛み合わせを塞いで、むし歯になりにくくします。

下図には、歯科材料の抗菌性とむし歯菌の発育との関係を検討した結果を掲載しております。培地にむし歯菌を撒き、歯科材料をその上に置き、一定時間むし歯菌を培養した後の結果です。このセメントに関しては、材料の周りにはむし歯菌の発育が僅かながら抑制されたことを示す発育阻止円が認められることより、このセメントにてむし歯菌の発育の抑制効果は多少ながら認めらたことが示されました。

痛みを抑える成分を含むセメント

下図には、歯科材料の抗菌性とむし歯菌の発育との関係を検討した結果を掲載しております。培地にむし歯菌を撒き、歯科材料をその上に置き、一定時間むし歯菌を培養した後の結果です。このセメントに関しては、材料の周りにはむし歯菌の発育が抑制されたことを示す発育阻止円が認められることより、むし歯菌の発育の抑制効果は認めらたことが示されました。

うがい薬

下図には、歯科材料の抗菌性とむし歯菌の発育との関係を検討した結果を掲載しております。培地にむし歯菌を撒き、歯科材料をその上に置き、一定時間むし歯菌を培養した後の結果です。うがい薬に関しては、材料の周りにはむし歯菌の発育が抑制されたことを示す発育阻止円が認められることより、うがい薬にてむし歯菌の発育の抑制効果は認めらたことが示されました。

レジン

細菌の感染した歯質の除去後、白い材料（プラスチィック：レジン）にて埋めてしまいます。メリットは、歯質をたくさん削ることなしに詰めることが可能であり、白く修復でき修復直後はきれいです。しかしながら一般的に、材料にフッ素が含まれないこと、抗菌性がないことがあげられます。

下図には、歯科材料の抗菌性とむし歯菌の発育との関係を検討した結果を掲載しております。培地にむし歯菌を撒き、歯科材料をその上に置き、一定時間むし歯菌を培養した後の結果です。レジンに関しては、材料の周りにはむし歯菌の発育が認められることより、レジンにてむし歯菌の発育の抑制効果は認められないことが示されました。