やまもと小児歯科・矯正歯科クリニック 連絡先
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咬合誘導:小児期の矯正治療

混合歯列期における咬合誘導で重要なことは、生体の適応能力をうまく引き出しその個体の持っている条件下で機能を獲得す る手助けをすることにあると言える。そのために、成長発達の概念より、混合歯列期における治療では垂直的高径と咬合平面のコントロールが必要とされる。当 院では、混合歯列期に咬合高径および咬合平面に問題を有する患児に対し、この概念に基づき作製したオーバーレイの冠および垂直的コントロール可能な装置に よる積極的に咬合高径および咬合平面をコントロールし、早期に不正咬合の解消を行い、成長発達の誘導を行っている。症例を通じて本咬合誘導法を紹介する。 (平成19年日本小児歯科学会発表資料)

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11歳3か月の男児で、上顎前突および過蓋咬合を主訴と来院した。大臼歯の咬合関係はアングルの分類より両側U級(右側full classU、左側1/2 classU)で、前歯部は過蓋咬合が認めらた。

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顔貌写真および正貌頭部X線写真の所見より、下顎の右側偏位が認められた。

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側貌頭部X線写真分析の結果より下顎下縁平面角(FH-MP)32.9°、下顔面高(LFH)43.8°Kim分析の下顎の前後的位置関係の指標である APDIが75.8°であることから、咬合平面の急傾斜による下顎の後退症(High Angle ClassU)の症例と診断した。

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shell咬合高径に対して、顎顔面咬合系にみられる代償反応としての垂直的代償を利用して、SAM咬合器上で2.5°咬合高径を挙上し、前後的には右側3mm、左 側2mm前方でTRPを設定し、乳臼歯にMetal Shellの作製・装着を行った。

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shell適応反応の確認後、さらなる第一大臼歯の挺出および上顎前歯部の圧下による咬合挙上による下顎の前方回転および下顎 の成長の誘導を目的にDAWおよびU-archの装着を行った。

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その結果、咬合高径は増加し下顎は前方に適応し左右とも臼歯部関係はAngle ClassTに安定している。今後、成長発達期における下顎の前方への適応および第三大臼歯の歯胚の確認を行い、出現する場合はポステリア・ディスクレ パンシーの解消のため摘出を行わなければならない。

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咬合誘導は、単に歯の交換を管理するにとどまらず、顎顔面骨格の調和を考慮した総合的な成長発育の管理体系でなければな らない。そのために、咬合誘導を有効に行うには咬合の発育と顎顔面骨格の関係を十分に理解する必要があるであろう。本咬合誘導法は顎顔面骨格の成長発育を 十分に考慮した方法ということができる。今後、歯科的管理を通じて成長発育期の咬合の変化を注意して見守っていく予定でる。