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11歳3か月の男児で、上顎前突および過蓋咬合を主訴と来院した。大臼歯の咬合関係はアングルの分類より両側U級(右側full classU、左側1/2 classU)で、前歯部は過蓋咬合が認めらた。

顔貌写真および正貌頭部X線写真の所見より、下顎の右側偏位が認められた。

側貌頭部X線写真分析の結果より下顎下縁平面角(FH-MP)32.9°、下顔面高(LFH)43.8°Kim分析の下顎の前後的位置関係の指標である
APDIが75.8°であることから、咬合平面の急傾斜による下顎の後退症(High Angle ClassU)の症例と診断した。


咬合高径に対して、顎顔面咬合系にみられる代償反応としての垂直的代償を利用して、SAM咬合器上で2.5°咬合高径を挙上し、前後的には右側3mm、左
側2mm前方でTRPを設定し、乳臼歯にMetal
Shellの作製・装着を行った。



適応反応の確認後、さらなる第一大臼歯の挺出および上顎前歯部の圧下による咬合挙上による下顎の前方回転および下顎
の成長の誘導を目的にDAWおよびU-archの装着を行った。

その結果、咬合高径は増加し下顎は前方に適応し左右とも臼歯部関係はAngle ClassTに安定している。今後、成長発達期における下顎の前方への適応および第三大臼歯の歯胚の確認を行い、出現する場合はポステリア・ディスクレ パンシーの解消のため摘出を行わなければならない。


